国家資格になって初めての令和3年度(2021)の賃貸不動産経営管理士の試験を受けましたが、その時の勉強方法をまとめてみました。
令和4年度(2022)の試験概要
その前にまず今年の試験ですが、以下のようになっています。
試験日時:令和4年11月20日(日)13:00 ~ 15:00(120分間)
試験会場:全国35地域
受験料 :13,200円[税込]
受験申込期間:令和4年8月15日(月)~令和4年9月29日(木)
インターネット申込:賃貸不動産経営管理士協議会
合格発表:令和4年12月26日(月)
試験会場は去年の25地域から、なんと10か所も増えて35地域になりました。
受験料は変わっていません。ほかの試験が軒並み値上がりする中、もともと高かったので据え置いたのでしょう。
申し込みは9月29日までなので、まだ間に合います。そして勉強を始めるのもまだまだ間に合います。
賃貸不動産経営管理士の試験はどんどん難化するかも
今回の勉強方法
以前も途中まで書きましたが、テキストも問題集も買わずに勉強を始めました。
その理由
- 宅建を持っているので、ある程度分かるかもと思った
- どうしても分厚いテキストを読みたくなかった
- 宅建の時とは違う勉強方法を試したかった(宅建の時はテキストを熟読し、過去問はやっていません)
ということで、この勉強方法は宅建の勉強をしたことがある人、不動産で働いている人、など向きかもしれません。
全くの初心者の方は、プラスしてテキストの読み込みが必要かと思いますが、きっとこの試験を受ける人は、上記の方が多いのではないかと思います。
賃貸不動産経営管理士の試験に申し込みました
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スケジュール
締め切りギリギリに試験に申し込み、勉強期間は60日間でした。以下のような順番で勉強しました。
9/20 | 試験に申し込む | |
9/22 | 勉強開始 | PHASE1 過去問道場(27日間) |
PHASE2 予想問題集(24日間) | ||
PHASE3 テキスト(3日間) | ||
PHASE4 総まとめ(6日間) | ||
11/20 | 勉強最終日 | (計60日間) |
11/21 | 試験日 |
PHASE1-過去問をひたすら解く(Day1~27)
テキストは読まず、いきなり過去問から始めます。
問題集ではなく「賃貸不動産経営管理士試験ドットコム」の「過去問道場」を使いました。
1問ずつ解いて解説もすぐに読めるので、使い勝手が良く頭に入るのです。間違えた所や覚えたい項目はノートにメモしていきました。
過去問は平成27年以降しかなくちょっと少ないですが、繰り返し解きました。
- R2年度を2回続けて解く
- R2年→H27年を2巡する
- 「間違えた問題」「チェックした問題」
- 一問一答形式(ランダム)で全問解く
- R2年→H27年の3巡目
以下が正解率の推移です。
PRE | 1巡目 | 2巡目 | 3巡目 | ||
R2 | 24/50点 (48%) 31/50点 (62%) | 44/50点 (88%) | 42/50点 (84%) | 41/45点 (91.1%) | |
R1 | 29/40点 (72.5%) | 29/34点 (85.3%) | 33/34点 (97.1%) | ||
H30 | 21/40点 (52.5%) | 30/34点 (88.2%) | 33/34点 (97.1%) | ||
H29 | 26/40点 (65%) | 27/34点 (79.4%) | 31/34点 (91.2%) | ||
H28 | 22/40点 (55%) | 29/35点 (82.9%) | 35/35点 (100%) | ||
H27 | 25/40点 (62.5%) | 28/35点 (80%) | 34/35点 (97.1%) |
途中からは法改正後の問題のみ解きました。2巡した後「間違えた問題」「チェックした問題」を解き、それから「一問一答道場」に切り替え、全問解きました。そして3巡目には90%以上解けるようになりました。
テキストを読まず、過去問だけでも90%解けるようになります。間違えた個所はその都度メモを書きました。
PHASE2-予想問題集を2冊じっくり(Day28~51)
次はTACとLECの予想問題集を買いました。予想問題集への信頼は絶大です。必ずやった方が良いと思います。
両方とも同じような構成で、巻頭に要点などがまとめてあり、簡易的なテキストみたいになっていたので、まずはそこを読みました。
問題は3回分あります。1回分を2時間内で解き、解説をじっくり読みながら、要点をノートにメモしていきます。
当然ですが、問題は今までの過去問より難しめに作ってありました。以下が点数です。
TAC① | TAC② | TAC③ | LEC① | LEC② | LEC③ | |
点数 | 38/50点 | 34/50点 | 33/50点 | 36/50点 | 39/50点 | 37/50点 |
合格点 | 37点 | 35点 | 33点 | 35点 | 34点 | 33点 |
ほぼ合格点内ですが、40点は越えたかったので納得できませんでした。
そして両方ともサイトで成績表が見れるようになっているのですが、だいたい平均点くらいでした。皆さんレベルが高いようです。
このままでは合格できるのかあやしくなってきました
なぜなら令和3年度から「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行され、大幅な内容変更があったのですが、過去問にはもちろんありません。
予想問題集の巻頭特集を読んだだけでは、いまいち点と点がつながっていない感覚です。
やはりテキストを読まなくては
使用した予想問題集
どちらも同じくらい良かったです。LECの方には無料動画解説もついていました。
PHASE3-やっとテキストをよむ(Day52~54)
やはりテキストを読まなければならないのか、と思いここでやっとテキストを購入しました。試験まではあと2週間です。
実際に本屋で中身をよく見て買いました。候補としては以下の3冊がありました。
- みんなが欲しかった! 賃貸不動産経営管理士の教科書(TAC)336ページ
- 賃貸不動産経営管理士 合格のトリセツ テキスト&一問一答(LEC)341ページ
- 賃貸不動産経営管理士 要点と〇×問(賃貸不動産経営管理士資格研究会)256ページ
TACとLECのものは分厚くページ数が多かったので、今回は使いませんでしたが、わかりやすく良いテキストだと思いました。
今回の試験に関しては特にLECの方が良いような気がしました。時間があればこっちを買っていたと思います。
選んだのはいちばんページ数が少なく、読みやすそうだった「賃貸不動産経営管理士 要点と〇×問」です。
初心者にもおすすめのテキスト
初学者の方は是非このどちらかのテキストを使うことをおススメします。
使用したテキスト
このテキストは本当に読みやすかったです。スラスラと読めて分かりやすく、よくまとまっていたと思います。
しかし、本が薄いだけに詳しくは載っていないし、試験に出た箇所が載っていなかった、というのはありました。
でもテキストを読んだことで、点と点が線になったような気がしました。
2022年用を探したのですが、ちょっと内容が変わってマンガ部分が導入されたようです。
PHASE4-総まとめ期間(Day55~60)
試験まで1週間、さて何をしていいのか分からなくなりました。
- 勉強は足りているのか?
- 試験がすごく難しかったら?
- どこが主にでるのか?
国家資格になったという事や、新法「賃貸住宅管理業法」からどれくらい出るのかなど、直前になって心配になってきました。
そこで原点にかえり「過去問道場」をやってみました。4巡目です。
結果は、205問正解/215問 正解率95.3% でまだ10問も間違えてしまいました。
そこは全問正解するまで、「間違えた問題」を繰り返し解きました。
残りの3日間は、
- テキストをランダムに読んだり
- メモしたノートを見返したり(レポート用紙120枚くらいになっていました)
- YouTubeで講師の方の動画を見たり
まあこれで何とかなるだろうと思い、試験を受け、ギリギリ合格できたのでした。合格点が40点だった時はビックリでした。
令和4年の試験はどうなる
令和4年度はもちろん試験が難化するとは思いますが、合格点は下がると思います。というか合格点を35点あたりにするようにテストを作ってくると予想されます。
当然、令和3年度の過去問よりは難しいでしょう。しかし過去問のデータが少なく、どのくらい勉強すればよいのか?よく分からないので、自分が納得できるまで、としか言いようがありません。
令和3年度は国家資格になったばかりで、受験者のレベルが高かったと思います。待ちに待った資格マニアの方、不動産の資格を集めたい方、ダブル受験をあおられた宅建受験者などが押し寄せたかもしれないので、ひょっとしたら令和4年度は全体的なレベルが下がるかもしれませんね。
どんな結果になるのか楽しみです
必要な勉強時間
勉強時間は家事がひととおり落ち着いて、午後の1時~3時の間かまたは夜寝る前だったので、テストをする時以外は、ほぼテレビを見ながらダラダラと勉強していました。ダラダラとノートにメモを取っていた時間が主でした。それで60日間で、一日1~2時間、約100時間くらいでしたが、もっと集中してやっていれば、分厚いテキストを読んでいれば、ギリギリではなく余裕で合格出来たかもしれません。
賃貸不動産経営管理士の勉強時間はコレくらいかな~といった感じです。
推奨
初学者なら150時間
何かしらの不動産の資格保持者なら、集中して80~100時間
今年受ける方は、ぜひ分厚いテキストを最初に読む事をおススメします。
それが普通のやり方でしょ
今回の「過去問から始める」という勉強方法もアリだとは思います。充分に内容を知ったうえでテキストを読むというのもラクではありました。